LIVMOA®について

LIVMOA®︎(リブモア®︎)は、東レの先端技術を活用した快適な使い切り防護服です。
開発のきっかけは、2011年に発生した東日本大震災でした。
現地の除染作業員が着用する防護服は通気性が低く、夏季の高温下では衣服内の温湿度が上昇し、汗による蒸れなどで過酷な状況をもたらしていたという課題がありました。
作業員の負担を少しでも軽減したい、そんな思いを胸に、東レは安全性を備えつつ快適に着用できる新しいタイプの使い切り防護服開発に着手しました。

2016年には、素材から製品まですべて東レグループで手がける、使い切り型防護服の総合ブランドを「LIVMOA®︎」と設定。
日本のメーカーとして、日本の気象環境を考慮した防護服を世に送り出しました。
「LIVMOA®︎」とは
「Lively Mode of Action(防護服を着用することで生き生きと活動できるように!)」という思いを込めて名付けられています。

使い切り防護服の用途は広く、製造業、メンテナンス、食品加工、ペイント作業、建設業、アスベスト対策、ダイオキシン対策、除染など様々な現場で活躍しています。
一方、使い切り防護服の多くが、海外メーカーからの供給に頼っている状況です。
新型コロナウィルスが蔓延した際には、海外メーカーからの商品供給が途絶え、多くの作業現場で防護服が不足するという事態を目の当たりにしました。
東レは国内メーカーとして防護服の安定供給を通じ、作業員の皆様が安心して働ける環境作りに貢献いたします。

日本の酷暑と
日本の作業環境を考え抜いた
東レが作る
日本人のための防護服

使い切り防護服は、衣服内への有害物質の侵入を防ぐことが優先されるため、通気性のない不織布素材が使用されるケースが多くあります。
特に日本は、梅雨時期から秋口まで温湿度が高く、防護服を着用する作業員が多量の汗に伴う不快なムレに悩まされています。
更に夏場は、酷暑により作業中の熱中症リスクが非常に高くなっており、企業にとっても深刻な問題です。

また防護服のサプライヤーは海外メーカーも多く、想定される着用者が日本人以外となっている場合があります。
東レは日本のメーカーとして、日本の気象環境や、日本人の体型を考慮した素材選定、商品設計を行っています。

滋賀県の瀬田工場内にある人工気象室を活用し、暑熱環境下における快適性評価を実施するなど、日本の環境や日本人の体型を考慮した防護服開発を進めています。

LIVMOA®︎は東レが作る日本の作業現場のための新しい防護服です。

LIVMOA®の開発拠点である瀬田工場

企業の健康経営に欠かせない
作業現場の安全管理を
バックアップ

健康経営とは「従業員の健康保持・増進の取り組みが、将来的に収益性等を高める投資であるとの考えの下、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること」で、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や組織としての価値向上へ繋げていこうとする考え方です。
今や夏場の作業に欠かせないファン付き作業服は、作業員の快適性向上に寄与するだけではなく、熱中症リスクの低減に大いに役立っています。
まさに「従業員の健康保持・増進の取り組み」が生産性の向上に繋がっている好例です。

一方使い切り防護服では、暑熱環境下で我慢して着用したり、
作業自体をやむなく中止しているのが現状です。 LIVMOA®︎はこのような問題解決に寄与する防護服であり、「従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化」をもたらすなど、健康経営にとっても重要な役割を果たすことが期待されます。

開発者の思い

日本にLIVMOA®があって良かったと思ってもらいたい。

東レ テキスタイル・機能資材開発センター
林 祐一郎

「Lively mode of Action」という想い

2011年、東日本大震災による福島第一原発事故。これが「LIVMOA®」の始まりです。
当時、当社には防護服の知識・知見はほとんどない状態でした。しかし、「福島で除染作業に従事する作業者の安全を守りたい。」「作業環境を改善させたい。」という思いから、復旧事業のひとつとして「LIVMOA®」が始まりました。その思いは「LIVMOA®」(Lively mode of Action 防護服を着用することで生き生きと活動できるように!)というブランド名に受け継がれ、今につながっています。

最初に具現化した商品「LIVMOA®3000」

「LIVMOA®3000」は、この思いを最初に具現化した製品です。特に、製品の特徴となる粉塵防護と通気性の両立のキー素材となっている「トレミクロン®」は、私がLIVMOA®事業に携わる前のエアフィルター開発時から扱ってきた素材です。同じ素材を違う用途で開発し、製品化を実現することができた、とても思い入れの強い製品です。
またLIVMOA®シリーズに、従来のSMS生地では達成できないレベルの耐水圧を有した「LIVMOA®4000AS」・「LIVMOA®4500AS」が加わるなど、現在では製品展開も幅広くなってきています。

日本の防護服メーカーとして

2014年、西アフリカでエボラ出血熱が流行し、アウトブレイクしました。
当社は「LIVMOA®5000」という製品を上市し、ギニア共和国に1万着の寄贈をしました。その際、「もしエボラ出血熱が国内で発生したら国内に防護服企業を持たない日本はどうなるのか」との思いを感じておりました。
それが具現化されたのが、新型コロナ(COVID-19)です。海外メーカーは自国に防護服を供給し、日本では感染症用途だけでなく、産業用途の防護服も不足しました。 将来、エボラ出血熱のように致死率が高く、COVID-19のように感染力が高いウイルスがパンデミックを起こす可能性は否定できません。この先、国内の防護服メーカーを作るということがとても重要であると考えています。日本にLIVMOA®があって良かったと思ってもらいたい。今後もさらに多くの作業現場で、それぞれの環境に適した製品を安全・快適にご使用いただきたい。そんな思いで、LIVMOA®は日本の防護服事業に向き合っています。

防護服耐水圧タイプ

防じん耐水圧通気

耐水性が必要な
廃棄物焼却施設や
設備修繕に。
耐水圧1,000mmH₂Oを
実現。

耐水圧タイプを見る

防護服高通気タイプ

防じん高通気

高い通気性と
粉じん防護性を両立。
暑い季節や
高温高湿な作業環境でも
快適な着心地をキープします。

高通気タイプを見る

防護服耐水・耐油
タイプ

防じん耐油耐水圧通気

油汚れしやすい部分には耐油性を、
油汚れしにくい部分には通気性を。
ハイブリッド構造により
油汚れ対策と通気性による
暑さ対策を両立。

耐水・耐油タイプを見る